歯磨きだけではない?口腔環境を整える3つの習慣
毎日歯磨きをしているにも関わらず、歯のトラブルを繰り返してしまうことはありませんか。
歯のケアというと歯磨きが中心と思われがちですが、歯の健康を守るには「口の中を清潔に保つ」だけでなく、かみ合わせや唾液、口内細菌のバランスなど、口腔環境そのものを整えることが欠かせません。
そこで今回は、日常生活に取り入れやすい「よくかむこと」「こまめな水分摂取」「ストレスケア」の3つの習慣について解説します。
よくかむ:唾液を増やして歯と全身を守る
厚生労働省では「噛ミング30(カミングサンマル)」と称して、1口で30回をかむことを目標としています。
かむ回数が減っている現代の食生活では、唾液の分泌が低下し、虫歯や歯周病リスクが高まります。唾液は口の中を潤す、汚れを洗い流して酸を弱める、さらに歯の表面を覆うエナメル質の修復を助けるなど、歯の健康に欠かせない働きをしています。
また、よくかむ習慣は全身の健康にも関わっています。よくかんでゆっくり食べることは、満腹中枢(満腹感を感じる働き)を刺激して食べすぎを防ぎ、肥満や糖尿病の予防につながります。糖尿病は血糖コントロールが乱れやすく、歯を失うリスクが高いことも知られているため、よくかむことは、将来の歯の本数を守ることにもつながります。
手軽に実践できるコツ
- 食材は大きめ・硬めに切る
- 食物繊維が多いもの(根菜類、きのこ、海藻、乾物など)を選ぶ
- 煮物よりも焼き物や生食を選ぶ
- 1口の量を少なくする
- テレビやスマホなどを見ながら食べることは避ける
- 飲み物で流し込まない
- キシリトール配合のガムをかむ
水分摂取:口内の酸を洗い流す
こまめな水分摂取は、口の中の乾燥を防ぎ、唾液の分泌を促します。食後歯を磨けない時や甘いものや酸味のあるものを摂った後は、口の中が酸性に傾き、歯が傷つきやすくなります。水やお茶を飲んで洗い流すことで、酸を弱め、歯への影響を抑えることができます。可能であれば、軽く口に含んでから飲み込むとより効果的です。
ストレスケア:歯ぎしり・唾液減少を防ぐ
ストレスによる無意識の歯ぎしりや食いしばりは、歯のすり減りや欠け、顎関節症の原因になります。
また、ストレスにより体が緊張すると唾液の分泌が減り、口内が乾燥することで細菌バランスが崩れ、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。
日中の軽い運動や趣味の時間、ストレッチや深呼吸などを取り入れることで緊張がほぐれ、リラックスにつながります。唾液の分泌が促されることで口腔環境の改善にもつながるため、ストレスケアは歯の健康を守るうえでも大切な習慣です。
現代人はかむ回数の減少や口の乾燥、ストレスの影響を受けやすく、これらが口腔環境の乱れにつながっています。生活習慣を見直すことは、歯の健康だけでなく全身の健康にも関わる大切なポイントです。
ぜひ今日できることから始めてみてください。
Q&A(よくある質問)
Q1. 歯磨きをしているのに歯のトラブルが繰り返されるのはなぜですか?
歯の健康を守るには「口の中を清潔に保つ」だけでなく、唾液の分泌量やかみ合わせ、口内細菌のバランスなど、口腔環境そのものを整えることが必要です。よくかむ習慣・こまめな水分摂取・ストレスケアといった日常習慣の見直しが重要です。
Q2. よくかむことが歯の健康に良いのはなぜですか?
よくかむことで唾液の分泌が促され、口の中の汚れを洗い流す、酸を弱める、歯のエナメル質の修復を助けるなどの働きが高まります。唾液の分泌が少ないと虫歯や歯周病のリスクが高まるため、かむ回数を増やすことが口腔環境の維持につながります。
Q3. 1日何回かめばいいですか?
厚生労働省では「噛ミング30(カミングサンマル)」として、1口30回かむことを目標としています。普段かむ回数が少ない方は、いつもより少し多くかむことを意識するところから始めてみましょう。
Q4. 水分摂取が歯の健康に関係するのですか?
はい。こまめな水分摂取は口の乾燥を防ぎ、唾液の分泌を促します。食後や甘いもの・酸味のあるものを食べた後は口内が酸性に傾き歯が傷つきやすくなりますが、水やお茶を飲んで洗い流すことで歯への影響を抑えることができます。
Q5. ストレスが歯に悪影響を与えることはありますか?
はい。ストレスによる無意識の歯ぎしりや食いしばりは、歯のすり減りや欠け、顎関節症の原因になります。また、ストレスで体が緊張すると唾液の分泌が減り、口内が乾燥することで細菌バランスが崩れ、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。
Q6. ストレスケアとして歯のために何ができますか?
軽い運動や趣味の時間、ストレッチや深呼吸などを日常に取り入れることで緊張がほぐれ、唾液の分泌が促されて口腔環境の改善につながります。ストレスケアは歯の健康を守るうえでも大切な習慣です。
Q7. よくかむために日常でできる工夫はありますか?
食材を大きめ・硬めに切る、根菜類やきのこ・海藻など食物繊維が多い食材を選ぶ、煮物より焼き物や生食を選ぶ、1口の量を少なくする、食事中にテレビやスマホを見ない、飲み物で流し込まない、キシリトール配合のガムをかむといった方法が有効です。
<参考>
・ 厚生労働省健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「口腔機能の健康への影響」
・ 厚生労働省歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書「歯・口の健康と食育~噛ミング30(カミングサンマル)を目指して~」
・ 厚生労働省健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「速食いと肥満の関係 -食べ物をよく『噛むこと』『噛めること』」
・ Kayo Harada、Katsutaro Morino、Miki Ishikawa、Itsuko Miyazawa、Takako Yasuda、Mayu Hayashi、Atsushi Ishikado、Hiroshi Maegawa「Glycemic control and number of natural teeth: analysis of cross-sectional Japanese employment-based dental insurance claims and medical check-up data」(Diabetology International』2021年8月 13(1)244~252頁)
・ 厚生労働省こころの耳「NO.2 ストレスと口の健康」