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歯や口の衰えが認知症リスクにも?オーラルフレイルの基本と今日からできる予防法

高齢化が進む現代において、「フレイル(虚弱)」の予防は欠かせません。
フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間にある段階を指します。
フレイルにはいくつかの側面がありますが、なかでも見落とされがちなのが歯や口の衰えです。
本記事では、歯や口のはたらきが低下した状態を指す「オーラルフレイル」について解説します。

オーラルフレイルとは?まずセルフチェックを

オーラルフレイルとは、かんだり、飲み込んだり、話したりといった、口のはたらきが衰えている状態を指します。
ご自身の状態を確認できるチェックリスト「オーラルフレイル簡易チェック(Oral Frailty Index-8:OFI-8)」がありますので、ぜひ活用してみてください。

オーラルフレイル簡易チェック(Oral Frailty Index-8:OFI-8)

質問事項はいいいえ
半年前と比べて、かたい物が食べにくくなった2
お茶や汁物でむせることがある2
義歯を入れている2
口の渇きが気になる1
半年前と比べて、外出が少なくなった1
さきイカ・たくあんくらいのかたさの食べ物をかむことができる1
1日に2回以上、歯を磨く1
1年に1回以上、歯医者に行く1

チェック結果

  • 合計0~2点:オーラルフレイルの危険性は低い
  • 合計3点:オーラルフレイルの危険性あり
  • 合計4点以上:オーラルフレイルの危険性が高い

※出所:東京⼤学⾼齢社会総合研究機構⽥中友規、飯島勝⽮ら作成「オーラルフレイル簡易チェック(Oral Frailty Index‐8:OFI‐8)」をもとに筆者作成

口の健康は全身の健康につながる

フレイルには、「身体の虚弱」、「こころ/認知の虚弱」、「社会性の虚弱」の3つの側面があり、それぞれが相互に影響し合うと考えられています。
口や歯は、食べるだけでなく、話す、表情を作るなど私たちの生活に欠かせない動作に関与しています。
歯の本数が少なくなると、食事量の低下による体重減少を招くほか、会話や社会的な交流に消極的になるなど、身体やこころ、社会性にも影響を及ぼす可能性があります。
実際に、東北大学大学院歯学研究科の研究では、歯が減るほど認知症リスクが高まる可能性が示唆されています。
しかし、フレイルは早期に気づいて適切に対処すれば、健康な状態に戻ることができます。

今日から始めるオーラルフレイル予防

(1)定期的な歯科受診

半年に1回を目安に歯科医療機関を受診しましょう。定期的に受診することで、歯・口のトラブルの予防や早期発見につながります。

(2)毎日のセルフケア

毎食後の歯磨きに加え、フロスや歯間ブラシを取り入れましょう。フロスは歯磨きの前に使用すると、汚れをより効果的に取り除くことができます。

(3)かみ応えのある食事

毎食1品はかみ応えのある食品を取り入れることで、歯に適度な負荷をかけることができます。

かみ応えのある食品例

  • ごぼうやれんこんなどの根菜
  • 切り干し大根や高野豆腐などの乾物
  • きのこ
  • 牛もも肉
  • 鶏肉 など

ただし、かむ力や飲み込む力には個人差があるため、ご自身の状態に合わせて無理のない食品を選びましょう。
食事の際はよくかんで食べることを意識し、一口につき30回程度を目安によくかむことを意識してみてください。

何歳になっても、自分の歯で食べるために

年齢とともに、歯や口のはたらきは少しずつ衰えていきます。
何歳になっても自分の歯で食事を楽しみ、いきいきとした生活を送るために、日頃から歯と口の健康を意識し、その機能を維持していくことが大切です。
定期的な歯科健診に加え、日々のセルフケアや食習慣の見直しを心がけていきましょう。

Q&A(よくある質問)

Q1. オーラルフレイルとは何ですか?

かんだり、飲み込んだり、話したりといった口のはたらきが衰えている状態を指します。フレイル(健康な状態と要介護状態の中間段階)の一つの側面であり、早期に気づいて対処することで健康な状態に戻ることができます。

Q2. オーラルフレイルは全身の健康にどう影響しますか?

歯の本数が少なくなると、食事量の低下による体重減少を招くほか、会話や社会的な交流に消極的になるなど、身体・こころ・社会性に広く影響を及ぼす可能性があります。また、東北大学大学院歯学研究科の研究では、歯が減るほど認知症リスクが高まる可能性も示唆されています。

Q3. オーラルフレイルのリスクを自分でチェックする方法はありますか?

東京大学高齢社会総合研究機構が作成した「オーラルフレイル簡易チェック(OFI-8)」を活用できます。合計3点でオーラルフレイルの危険性あり、4点以上で危険性が高いと判定されます。

Q4. オーラルフレイルの予防に効果的なセルフケアは何ですか?

毎食後の歯磨きに加え、フロスや歯間ブラシを取り入れることが重要です。フロスは歯磨きの前に使用すると汚れをより効果的に除去できます。また、ごぼうやれんこんなどの根菜、きのこ、鶏肉など噛み応えのある食品を毎食1品取り入れ、一口につき30回程度を目安によくかむことも予防につながります。

Q5. 歯科医院にはどのくらいの頻度で通えばいいですか?

半年に1回を目安に歯科医療機関を受診することが推奨されています。定期的に受診することで、歯・口のトラブルの予防や早期発見につながります。

Q6. オーラルフレイルは若い人には関係ありませんか?

オーラルフレイルは加齢とともにリスクが高まりますが、口や歯の健康は年齢を問わず全身の健康に影響します。若いうちから定期的な歯科受診や日々のセルフケアを習慣づけることが、将来の予防につながります。

<参考>
・ 荒井秀典「フレイルの意義(PDF)」(『日本老年医学会雑誌』2014年51(6)497~501)
・ 公益社団法人日本歯科医師会「オーラルフレイル」
・ Tomoki Tanaka、Hirohiko Hirano、Yuki Ohara、Misa Nishimoto、Katsuya Iijima「Oral Frailty Index-8 in the risk assessment of new-onset oral frailty and functional disability among community-dwelling older adults」(『Archives of Gerontology and Geriatrics』2021年94、104340)
・ Taro Kusama、Kenji Takeuchi、Sakura Kiuchi、Jun Aida、Ken Osaka「Poor oral health and dementia risk under time-varying confounding: A cohort study based on marginal structural models」(『Journal of the American Geriatrics Society』2024年72(3)729~741)
・ 厚生労働省「歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書」

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