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寝ても疲れが取れない原因は歯ぎしり?睡眠中に起きていることを解説

眠っているはずなのに疲れが取れない。その背景には、睡眠中の歯ぎしりが関係している可能性があります。これは睡眠中に無意識に起こる動きのひとつで、眠りの質に影響を及ぼすとされています。
今回は、気づきにくいけれど体に負担をかける睡眠中の歯ぎしりについて、そのメカニズムと影響をわかりやすく解説します。

睡眠の質を下げる歯ぎしりのメカニズム

歯ぎしりは、必要がないのに歯を強く噛みしめたり、こすり合わせたりしてしまう現象です。食べ物を噛んでいるわけではないのに、歯や顎が働きすぎてしまう状態ともいえます。
睡眠障害に関する国際的な指針では、睡眠時の歯ぎしりは、眠っている間やその前後に体が同じ動きをくり返すことが特徴で、睡眠を中断したり、睡眠の質を下げたりする可能性があると指摘されています。
また、国外の研究でも、睡眠時に歯ぎしりがある人は深い眠りが減り、眠りの効率も下がる傾向が報告されています。入眠までの時間や途中で目が覚める時間が長くなるケースもあり、休息感に影響する可能性が示唆されています。
ただし、歯ぎしりの重症度と睡眠の質の関係については、今後の研究が必要とされています。

睡眠中の歯ぎしりを引き起こすさまざまな原因

睡眠中の歯ぎしりはストレスや性格、遺伝、飲酒、喫煙、特定の疾患(睡眠呼吸障害や脳性麻痺など)によって引き起こされます。
近年の研究では、睡眠中の歯ぎしりは脳の覚醒反応に伴って生じる、脳の働きによる現象であることが明らかになっています。
この覚醒反応では、交感神経の働きが強まり、体を休める副交感神経の働きが相対的に弱まることで、脳波活動が高まり、心拍数も増加します。
その後、咀嚼筋(そしゃくきん)の活動が強まり、まず口を開くときに働く開口筋が反応し、その直後に口を閉じる筋肉である閉口筋が強く働くことで、睡眠中の歯ぎしりが生じると考えられています。
アルコールとの関係では、摂取していた人は、していない人とくらべて睡眠中の歯ぎしりの発症リスクが約6倍高かったという結果も出ています。

歯ぎしりと睡眠の悪循環が招く、日中の不調

睡眠中の歯ぎしりが続くと、睡眠の質が低下します。
その結果、朝起きたときに「疲れが取れていない」といった不調が現れやすくなります。
しかし、睡眠時間は確保できていても、朝目覚めたときにしっかりと休まった感覚である睡眠休養感が低下すると、イライラ感や気分の落ち込みに加えて、頭痛、肩こり、倦怠感などの身体症状も起こりやすくなります。さらに、歯ぎしりや噛みしめによる頬の咬筋(こうきん)の過活動は頭痛や肩こりの原因にもなります。
つまり、歯ぎしりは夜だけの問題ではなく、翌日のパフォーマンスにも関わる、全身の問題として意識することが大切です。

さいごに

睡眠時の歯ぎしりを指摘されたことがある方で「朝起きた後、顎、頭、こめかみにだるさや痛みがある」「寝ても疲れが抜けない」と感じる方は一度歯科で相談してみることをおすすめします。早めに気づいてケアすることで、歯の健康だけでなく、毎日のコンディションも整えやすくなります。

Q&A(よくある質問)

Q1. 寝ても疲れが取れない原因として、歯ぎしりはどのように関係していますか?

睡眠中の歯ぎしりは眠りを中断したり、深い眠りを減らしたりすることで睡眠の質を低下させます。その結果、十分な睡眠時間をとっていても朝起きたときに疲れが取れていないと感じやすくなります。

Q2. 歯ぎしりとはどのような状態ですか?

必要がないのに歯を強く噛みしめたり、こすり合わせたりしてしまう現象です。食べ物を噛んでいるわけではないのに歯や顎が働きすぎてしまう状態で、睡眠中に無意識に起こることが多いとされています。

Q3. 睡眠中に歯ぎしりが起きるのはなぜですか?

脳の覚醒反応に伴って生じる現象と考えられています。覚醒反応によって交感神経が強まり、心拍数が増加したのち、咀嚼筋(そしゃくきん)が活動することで歯ぎしりが引き起こされます。ストレス・遺伝・飲酒・喫煙・睡眠呼吸障害なども原因として挙げられています。

Q4. アルコールは歯ぎしりに影響しますか?

はい、影響するとされています。国外の研究では、アルコールを摂取していた人はしていない人とくらべて、睡眠中の歯ぎしりの発症リスクが約6倍高かったという結果が報告されています。

Q5. 歯ぎしりが続くと日中にどのような不調が起きますか?

睡眠休養感の低下により、イライラ感や気分の落ち込み、頭痛、肩こり、倦怠感などが起こりやすくなります。また、歯ぎしりや噛みしめによる咬筋の過活動が頭痛や肩こりをさらに悪化させる場合があります。

Q6. 歯ぎしりは歯や顎以外にも影響しますか?

はい。歯ぎしりは翌日のパフォーマンスにも関わる全身の問題です。睡眠の質低下による疲労感・倦怠感・気分の不調に加え、咬筋の過活動による頭痛・肩こりなど、全身にわたる影響が報告されています。

Q7. 歯ぎしりが気になる場合はどこに相談すればいいですか?

歯科への相談が推奨されています。「朝起きたときに顎・頭・こめかみにだるさや痛みがある」「寝ても疲れが抜けない」といった症状がある方は、早めに歯科で診てもらうことで歯の健康だけでなく日常のコンディション改善にもつながります。

<参考>
・ 公益社団法人日本歯科医師会「歯ぎしり – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」
・ 一般社団法人日本睡眠学会「睡眠障害の症状:本多真」
・ Gilles J Lavigne、Nelly Huynh、Takafumi Kato、Kazuo Okura、Kazunori Adachi、Dong Yao、Barry Sessle「Genesis of sleep bruxism: motor and autonomic-cardiac interactions」(『Archives of Oral Biology』2007 Apr;52(4)381-4)
・ Jéssica Conti Réus、Joyce Duarte、Patrícia Pauletto、Helena Polmann、Luiz Paulo de Queiroz、Israel Silva Maia、Graziela De Luca Canto「Associations between sleep bruxism and primary headaches: a descriptive study」(『Journal of Oral & Facial Pain and Headache』2024 Dec;38(4)52-60)
・ Eduardo Bertazzo-Silveira、Cristian Maikel Kruger、Isabela Porto De Toledo、André Luís Porporatti、Bruce Dick、Carlos Flores-Mir、Graziela De Luca Canto「Association between sleep bruxism and alcohol, caffeine, tobacco, and drug abuse: A systematic review」(『Journal of the American Dental Association』2016 Nov;147(11)859~866)
・ Hyeyun Kim、Hyun Jeong Han「Sleep quality in adult patients with sleep related bruxism」(『Sleep and Biological Rhythms』2015 Jan;13(1)94~98)
・ 厚生労働省「健康日本21アクション支援システム Webサイト」

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